機器紹介
脳卒中センター

機器紹介
脳卒中センター

CT

Optima CT660(GE社製)

  • 広範囲の撮影が可能となっており、救急時における検査に有用な設計になっているCT装置です。
  • 頭部、体幹部(胸部・腹部・骨盤部)、椎体(頸椎・胸椎・腰椎)など様々な部位の撮影を行っております。
  • 検査時間は単純CTで約3-5分、造影CTで約10-15分程度です。
  • 当院ではXe-CT 検査も行っております。Xeガスを吸いながらCTを撮影することで、脳血流量を測定します。アセタゾラミドという薬を使用して撮影することもあります。

《 症例① 》頭部単純CT くも膜下出血(SAH)

くも膜下出血

左図の正常例と比較し、右図では出血が脳溝に沿って白く描出されています。

《 症例② 》頭部造影CT 脳動脈瘤

3D画像(正面)

3D画像(側面)

2つの動脈瘤(→)がみられます。くも膜下出血のリスクが非常に大きい疾患です。

《 症例③ 》Xe-CT

明色であるほど血流量が豊富、暗色になるほど血流量が乏しいことを示しています。上図では左大脳半球の血流量が著しく低下していることが分かります。

MRI

Optima MR360Advance 1.5T(GE社製)

  • デジタル技術を用いた1.5T MRI装置です。
  • 従来の1.5T MRIに比べ、より高精細な画像の取得が可能です。
  • 主に頭部、椎体(頸椎・胸椎・腰椎)の撮影を行っております。
  • 造影剤を用いなければ行うことが出来なかった脳血流検査においても、3D artetial spin labeling(3D ASL)と呼ばれる撮影技術により、造影剤を用いずに検査が可能になりました。
  • 検査時間は頭部MRIで約10分、椎体MRIで約15分程度です。(検査内容によって検査時間が長くなることもあります。)

《 症例① 》頭部MRI:脳梗塞

拡散強調画像(DWI)

脳梗塞が白く描出されています。(→)

《 症例② 》頭部MRI:被殻出血

右被殻に出血がみられます。(→)

《 症例③ 》頭部MRA・3D ASL:左中大脳動脈狭窄症

頭部MRAにて左中大脳動脈が狭窄しています。(→)
3D ASLにて脳血流評価をしたところ、左中大脳動脈領域の血流が低下していました。(○)

血管撮影・血管内治療

Azurion(PHILIPS社製)

  • より高度な治療支援を実現すべく、高画質かつ低被ばくを追究したバイプレーン血管撮影装置です。
  • 造影剤を用い、頭部血管撮影や血管内治療(血栓回収、塞栓術)を行います。

《 症例① 》血管内治療:血栓回収療法

血栓が詰まり、血流が見られない状態(→)でしたが、血栓回収により血流が再開しました。

《 症例② 》血管内治療:硬膜動静脈瘻(d-AVF)コイル塞栓術

動脈血が毛細血管を介さず静脈へ流入(→)していましたが、
コイル塞栓術により動脈血の流入が無くなりました。

主な症状:耳鳴り

脳波とは・・・

EEG(Electroencephalogram)と呼ばれることもあります。

頭皮上に10~20個のお皿のような電極(皿電極と言います。)を決まった場所に取り付け脳内で発生する電気活動を記録します。この記録でさまざまな形の波がみられます。

これらの波は周波数ごとにδ波(0.5~3Hz)、θ波(4~7Hz)、α波(8~13Hz)およびβ波(14~30Hz)と名前が付けられています。健常成人においては、「覚醒、閉眼、安静時」ではα波が中心でβ波がそこに混入してきます。開眼、計算などの精神作業を行うとα波が消えβ波に置きかわります。また眠くなるとα波が減少しθ波(遅いゆったりした波)混じってきます。

脳波はその人の状態によって多様に変化します。当然、疾患によっても波は特異的な変化を呈することがあります。その波の形から疾患の有無、広がりを知ることができます。

超音波検査とは・・・

エコー検査と呼ばれることもあります。
体の表面から人の耳には聞こえない周波数をもつ音波を当て、体内の組織にぶつかってはね返ってきた音波を画像に映し出す検査です。痛みはなく、放射線も使用していません。

超音波は体の中にある空気や骨を通ることができないため、肺、脳を検査することはできませんが、それ以外、例えば腎臓、肝臓はもちろん心臓、血管、甲状腺など多くの器官を検査できます。また、1mmほどの病変も検出することができるため精密な検査も可能です。

脳梗塞の原因となる血栓の有無も検査ができます。心臓や頚動脈に血栓があるとそれが脳に流れて行き血管を詰まらせてしまうことがあります。心臓超音波検査や頚動脈超音波検査を行い血栓の有無を確認しておくことで脳梗塞の発生のリスクを減らすことができます。

超音波検査は無侵襲にできかつ簡便でありますが、精密な検査もでき疾患の原因特定、疾病発生の予防などができる大変有用な検査です。

より安全な治療を行うために・・・

当院では、脳動脈瘤、頚動脈内膜剥離術といった脳神経外科手術において、手術合併症(運動麻痺、感覚麻痺など)をできるだけ少なくするため手術中にSEP(体性感覚誘発電位)、MEP(運動誘発電位)を行っています。これらの検査は、手術中に神経機能が障害されていないかどうかを確認するために行われます。

SEPとは・・・・

somatosensory(体性感覚)evoked(誘発)potential(電位)の略語です。

体性感覚というのは視覚、聴覚といった感覚とは異なり「触覚、温度感覚、痛覚の皮膚感覚と筋、関節などに起こる深部感覚の総称」を言います。

末梢神経(手首にある正中神経やくるぶしにある後頸骨神経)を電気刺激すると神経が興奮します。その興奮が感覚神経を上行し脊髄へ伝わり、脊髄からさらに上って大脳皮質へ到達します。大脳皮質まで届いたその興奮を頭皮上より測定器で記録をします。

末梢神経~脊髄~大脳皮質の連絡経路のどこかに障害が発生している場合、興奮が大脳皮質まで到達する時間が延長し、記録に変化が現れます。

SEPとは、末梢神経からの興奮が脊髄を介して大脳へきちんと届いているかどうか、遅れはないかを検査し、その結果から障害部位を特定する検査です。

MEPとは・・・・

motor(運動)evoked(誘発)potential(電位)の略語です。

SEPは末梢神経を刺激しますが、MEPは直接大脳に刺激を与えます。そのため、MEPは手術中にしか行われません。

SEPは末梢神経からの興奮が大脳へ伝わっていきますが、MEPは逆に大脳から発生した興奮が脊髄、神経を経由して手足の筋肉へと到達します。この手足の筋肉の筋電図を測定器で記録します。

手術によりこの経路が傷害を受けた場合、運動機能に影響が出るため記録に変化が現れます。

MEPは、大脳からの興奮が脊髄を介して手足の筋肉へきちんと届いているかどうかを検査します。

ABRとは・・・・

auditory(聴覚の(聴性))brainstem(脳幹)response(反応)の略語です。
聴覚神経系を興奮させることで得られる脳幹部での電位を頭皮上より記録したものです。内耳(蝸牛)から脳までの聴神経の伝達経路のどこに異常があるかを調べることができます。

ヘッドフォンを付け「カチカチカチというクリック音」を聴くだけなので、非侵略的かつ簡易的に検査をおこなうことができます。また、意識レベルや睡眠などの影響を受けにくく安定した結果を得ることができます。そのため、難聴や脳幹障害の診断など幅広く行われています。乳幼児の聴覚障害のスクリーニングにも使われます。