人工透析とは

腎不全の末期症状において、低下した腎機能の代わりの役割を果たすのが、透析療法です。

腎臓とは

腎臓

腎臓は、背中側の腰の高さに左右1個ずつある臓器(こぶし大の大きさ)で、血液中の老廃物をろ過して尿をつくる、からだの「排水処理場」です。

腎臓には、心臓が1回の拍動で送り出す血液の4分の1が送りこまれ、約150〜180リットルもの尿のもと(原尿)がつくられ、ろ過が繰り返されます。そうして最終的に約1.5リットルまで減って尿として排出されます。

腎臓のおもなはたらき

  • 尿をつくりだす
  • 血圧を調整する(血圧を上げる物質と下げる物質の両方をつくりだす)
  • 赤血球をつくる
  • カルシウムの吸収を増加させるビタミンD3を活性化する など

腎不全とは

さまざまな原因により、腎臓の働きが不十分になった状態を腎不全といいます。
腎不全には、急激に腎機能が低下する急性腎不全と、長年にわたって徐々に機能が低下する慢性腎不全の2種類があります。急性腎不全は、早急に適切な治療を行うことで大部分の機能回復が見込めますが、慢性腎不全は腎機能がある程度まで低下しないと自覚症状が現れず、早期発見が大変難しい病気です。そのため、一度失った腎機能の回復は困難です。

腎臓の働きが低下すると、本来尿として出るべき老廃物が体に溜たまります。
症状は、進行速度や重症度、原因によってさまざまですが、尿の異常、部分的なむくみや高血圧になることもあります。慢性腎不全の末期状態になると、「尿毒症」となり、重とくな場合、全身けいれんなどの症状が現れます。
末期の治療法は、腎移殖か透析療法に限られてきます。

透析療法とは

腎臓の働きが10%以下になると、血液のろ過が充分に行えず、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまいます。そのような場合に、人工的に血液の浄化を行うのが、透析療法なのです。

透析療法には人工的に行うオンラインHDF療法、血液透析療法、自分のお腹の腹膜を使って行う腹膜透析療法の3種類があります。

オンラインHDFとは

〜当院では、超純粋透析液を使用したオンラインHDF(血液濾過透析)を行っています〜

オンラインHDF(血液濾過透析)とは

透析センター

HDFは通常透析+血液濾過を合わせた治療法で、腎臓の役目をする透析膜も高性能膜を使用することが可能であり、より多くの老廃物の除去が可能な治療法です。

このHDFはオフライン方式とオンライン方式に分かれ、それぞれオフラインHDF、オンラインHDFと呼ばれています。その違いは、主に老廃物をろ過するための補充液の量に違いがあり、当院では血液からより多くの老廃物の除去が可能なオンラインHDFを採用しています。

透析センター

補充液の量はオフラインHDFでは、8L〜10Lの補充液を点滴で透析回路内へ注入しますが、オンラインHDFでは 24L〜48L又はそれ以上の補充液を透析室内の機械室で無菌状態の超純粋の補充液を精製し、治療装置に直接接続し血液中に補充しています。

そのため、きれいな透析液や補充液を精製することが絶対条件であり、厳しい水質管理を実施し毎月必ず細菌等が混入していないかの検査を行っています。この治療方法で従来の透析より、患者様のより良い結果が多く報告されています。

HDFの利点

透析センター

  • 食欲の増進:
    体の内部環境の改善により、食欲が出てきます。
  • 日常生活での血圧の安定:
    降圧剤を減量できる方もいます。
  • 治療中の血圧の安定:
    補充液を6L/時間〜12L/時間補充しながらの治療の為、血圧の低下が起き難くなります。
  • 貧血の改善:
    増血剤を減量できる方もいます。
  • 通常透析では取りきれない老廃物の除去:
    β2マイクログロブリン等の透析アミロイドーシスの原因になる物質の除去やその他の小分子蛋白の除去により合併症の予防になります。
  • 心臓への負担の軽減:
    補充液を注入しながらの治療により、循環血液量の減少予防になり血圧の低い方に有効といわれています。
  • 排尿機能の延長 など

以上のような利点があります。

血液透析とは

血液透析

血液透析器(ダイアライザー)を通して、血液を体内から取り出し、血液中の老廃物や余分な水分を取り除き、浄化された血液を体内に戻す方法です。
血液を体外に取り出すために、腕の静脈と動脈をつなぎ合わせる手術が必要です。

腹膜透析とは

腹膜透析

お腹の中に透析液を入れ、体内で血液を浄化する方法です。
透析液を出し入れするためにカテーテルと呼ばれるチューブを腹部に埋め込む手術が必要です。

尿がほとんど出ない無尿の腎不全の場合でも、当院の人工透析療法で30年以上も元気に仕事をつづけている方々がたくさんいらっしゃいます。医師の指示に従い、食事などの自己管理に気をつけながら、社会生活を送りましょう。

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