顎変形症
歯科・歯科口腔外科

顎変形症
歯科・歯科口腔外科

顎変形症

顎変形症治療

アゴのかたちをととのえて、本来の美しさをとり戻しましょう

目や鼻、口のかたちは個々に独立しているのではありません。これらが全て、調和して初めてお顔の美しさが輝いて、良好な機能を獲得することができるのです。歯科・歯科口腔外家では、アゴのゆがみやズレ、受け口などの治療を専門とする外来を開設いたしました。

顔のゆがみ <顔のゆがみ>
出っ歯 <出っ歯>
顎がでている <顎がでている>

診療日

昭和大学歯学部口腔外科学講座の代田達夫教授をはじめとする、顎変形症の手術経験が豊富な口腔外科専門医が担当します。
毎月第二水曜日:昭和大学 代田教授
毎週木曜日:顎変形症手術専門の口腔外科専門医

顎変形症とは

アゴが前に出ている場合や、小さいなどの理由で、かみ合わせがずれてしまっているような場合には、「顎変形症(がくへんけいしょう)」との診断を受ける可能性があります。
原因にはさまざまなものがありますが、かみ合わせがずれていれば、うまくかめない、話しづらい、食べ物の消化が悪いなどの障害がでてきます。また、見た目にも問題を抱えてしまうことがあります。当院ではこのような症状のある患者さんたち対して、近隣で開業されている矯正歯科専門医と連携した治療をおこなっています。

保険適用

当院で顎変形症(がくへんけいしょう)と診断された患者さんの治療をおこなう場合は矯正治療と手術に健康保険が適用できます。また、当院には内科をはじめとする多くの診療科がありますので、安心して入院生活を過ごしていただけます。

治療の流れ

  1. 検査・診断
  2. 手術前:矯正治療
  3. 手術前:検査・診断
  4. 入院・手術
  5. 手術後:矯正治療
  6. 術後経過観察・プレート除去術

① 検査・診断

治療開始時

当院と連携している矯正歯科専門の歯科医院を受診していただきます。
アゴの変形などを診察するために、レントゲン線検査、CT検査、そして歯列模型などの検査をおこないます

②手術前矯正治療

術前矯正終了時

手術前に、矯正歯科専門医による術前の矯正治療(歯に矯正装置をつけて移動させる)をうけていただき、上アゴと下アゴのそれぞれの位置と形態に応じた歯ならびにします。術前の矯正治療の期間は数カ月~2年かかり、患者さんによって異なります。

③ 手術前の検査・診断

  • 顎を動かす方向や量などの最終的診断のため、CTの撮影、レントゲン撮影、かみ合わせの模型の型取り、顔や口の中の写真撮影などをおこないます。未成年の方は、保護者の方の同席が必要です。
  • 全身麻酔のために必要な術前検査の他に必要に応じて、麻酔科で診察を受けていただきます。診察結果によっては、内科などでさらに検査や治療を受けていただくことがあります。

④ 入院と手術

  • 手術前日:入院した夜から手術まで絶飲食となります。
  • 手術翌日:ゴムを使ってかみ合わせを固定し、口を動かす・開くことが出来なくなります。採血、X線検査と傷口の消毒をおこないます。食事は、鼻から胃まで入れた細いチューブを使って流動食を摂っていただきます。
  • 術後3日目:血液が傷に溜まらないように、口内に設置した吸引チューブを抜去します。
  • 術後3~4日目:痛みや腫れが生じるため、大変つらいものになります。
  • 術後10日頃:傷口も落ち着いてきて、顔の腫れも引きはじめます。平均7~10日目で退院となります。

⑤ 手術後矯正治療

術前の矯正治療の状態や、元々の変形が強い場合は、微調整のために手術後にも歯並びをより安定したものにする術後矯正が必要になります。かかりつけの矯正歯科に退院後受診していただきます。

⑥ 術後経過観察・プレート除去術(治療終了後)

  • 術後は定期的に受診していただき、傷やかみ合わせの状態などをチェックし、矯正装置を調整します。
  • 当院では術後半年から1年の間に金属プレートの除去を勧めております。

顎変形症の手術

アゴの手術においてかみ合わせの改善だけを目的としても、アゴのゆがみや突出感など美容の面でお顔の形を改善できない場合があります。このような患者さんに対しては、上アゴと下アゴを同時に手術することで、お顔の変形を整えるようにしています。

術前

術後
術前
術後

コンピューターによる手術のシミュレーション

当院では最新のCTで撮影したデータを、コンピューターを使って分析して、アゴのかたち、歯ならび、かみ合わせの状態などを正確に診断します。このデータを使って手術のシミュレーションをおこなうことで、安全で理想的な手術計画を立てています。

手術前 手術前
手術後 手術後

顎の骨を手術にて、後ろに移動させ理想的なかみ合わせを作ります。

上下顎骨切り術におけるCAD/CAMスプリントの適用

上アゴと下アゴの骨切り術においては、上アゴの位置を決めることが顔の最終的な形を獲得するのに大変重要となります。そのためには、詳細に骨の移動のイメージを検討し、また、そのイメージを正確に手術に反映させる必要があります。当院ではシミュレーションの結果を実際の手術に正確に再現するために、シミュレーションソフトウエアを用いてCAD/CAMスプリントと呼ばれる精密なマウスピースを製作しています。

マウスピースなし マウスピースなし
マウスピース着用時 マウスピース着用時

コンピュータシミュレーションで作成するマウスピース

使用機器

PIEZOSURGERY® touch:周囲の粘膜を傷つけず、骨だけを切る事が出来、最小限の手術侵襲に抑えられるため、出血を少量に抑えられます。

手術による合併症

顎矯正手術で起こる可能性がある合併症
  • 出血量が多くなった場合には、輸血をおこないます。
  • 術前に予期できない神経・血管の異常走行によって、手術を途中で中止せざるを得ない場合や、止血や関節脱臼などのために、再手術を必要とする場合もあります。
顔の骨を動かすことで顔の形態が変化
  • 上アゴの手術では、鼻の形が変わることも考えられます。
  • 骨の移動する量と周囲の皮膚など軟組織の移動する量は一致しません。骨は神経や血管に囲まれていますので、移動できる距離・方向に制限があります。
皮膚や唇にしびれが出ることも

神経が障害を受けて顔の表面の皮膚や唇にしびれが出ることがあります。

元の位置に顎が動いてしまうことも

手術によって得られた新しい口腔環境に適応するためには、術後のリハビリテーションが重要です。これを怠ると、もとの位置に顎が動いてしまうことがあります。

実際の症例

顔の歪がみが気になる

術前

術後

出っ歯が気になる

術前

術後

アゴが出ている

術前

術後

Q&A

Q どんな人が治療対象?

A 「顎変形症(がくへんけいしょう)」という病気であると診断された方が治療対象となります。

Q 治療期間は?

A. 患者さんそれぞれのアゴやかみ合わせの状態に応じて変わりますが矯正治療を含めて、概ね2年程度はかかります。

Q 手術の前の特別な準備は必要?

A. 患者さまの術前の日常生活としては特に制限はありません。

Q 入院期間は?

A. 特別な場合を除き、手術の前日に入院していただき、平均術後7〜10日目で退院となります。

Q 手術の時間はどれくらいかかるの?

A. 骨の形態や移動する量によって個人差はありますが、下アゴのみの場合は2〜3時間、上下の両アゴの場合は4〜5時間が目安です。

Q 普通の生活に戻るまではどれくらいかかるの?

A. 退院後、2週間から1ヶ月程度で日常生活は普通に戻ります。社会人の方は、職種によっても異なりますが、退院時には口が開けられるので、肉体的な重労働を除いて、体力が回復すれば、術後2週間程度で復帰することが可能です。

Q 運動ができるまではどれくらいかかるの?

A. 軽い運動は退院後2週間程度からおこなえます。ただし、激しい運動や顎を強打するおそれがあるスポーツは、術後2ヶ月間は控えてください。

Q 普通の食事が取れるまではどれくらいかかるの?

A. おおむね1カ月後には、硬いもの以外は食べられるようになります。

Q 手術の後遺症はどんなのがあるの?

A. 下アゴの手術の最も重篤な障害は、下唇の感覚が一時的に鈍くなることで、この手術を受けた方の約1割に認められます。上アゴの手術では、頬の感覚が鈍くなること、顔の腫れがなかなか引きにくい方や、鼻の通りが悪くなったと感じられる方もおられます。
後遺症ではないのですが、ご自身の容貌の変化に過度の期待をお持ちだった場合は「思い通りの顔の形にならなかった」と感じられるかもしれません。